Connecting the Dots

米国証券法、デリバティブ、香港証券市場について学んだことを書いていきます。当ブログは法的アドバイスを提供するものではありません。ブログ中の意見にわたる部分は個人的見解であり、私が所属する事務所の見解を述べるものではありません。

香港 証券

香港における動産担保

香港における動産担保の取り扱いについてよくまとまったサイトを見つけました。 1 香港における動産担保 香港法における動産は、機械類、棚卸資産や船及び飛行機が含まれます。 担保の取り方について、整理すると下記のようになります。 担保の種類 性質 対…

中国平安保険集団(ピンアン・インシュランス)によるDim Sum Bondの発行

2013年10月30日のSouth China Morning Postの記事によると、中国平安保険集団が18億元ほどのDim Sum 債を発行したそうです。クーポンは4.75%だそうです。 話はそれますが、YuanとRenminbiの違いを初めて知りました。Yuanは通貨の単位(元のこと)でRenminbi…

アリババ NY上場への道も前途多難?

アリババは香港上場をあきらめてNY上場を目指すと伝えられていますが、NY上場においても、下記のような問題があります。 ①パートナー制はアメリカでも受け入れられない? NYで認められているDual Class Structureというのは、特定の少数株主が取締役の選任及…

中国工商銀行(ICBC)のバーゼル3準拠のBondの発行について

2013年10月2日、株式時価総額で世界1位の銀行である中国工商銀行(Industrial and Commercial Bank of China)を発行体とする、アジアで初のバーゼル3に準拠したBond(Basel III compliant bond)のPricingが行われたようです。 Bondの基本的な条件は、総額…

アリババ−NYでの新規上場は最善の策か?

アリババが、支配権を維持しつつ、香港証券取引所(HKEX・Hong Kong Stock Exchange)に上場したいが、SFCやHKEXがそれを拒んでいる、アリババはすでにニューヨーク上場をめざし、シンプソン・サッチャーという法律事務所に依頼しているという噂が流れていま…

香港におけるオフショア人民元の流動性拡大

従前、香港金融管理局(Hong Kong Monetary Authority・HKMA)は、香港における急激な人民元市場の拡大による不要な混乱を避けるために、人民元の取り扱いに関しては、Net Open PositionとLiquidity Ratioの両面から規制をかけていました。すなわち、HKMAは2…

点心債(Dim Sum Bond)の特徴

アリババが熱いのでEquityばっかりの記事になっていますが、今日はDebtについて書きたいと思います。 香港でのDebtによる起債で有名なのは点心債(Dim Sum Bond)です。 点心債というのは、香港で発行される人民元建て債券のことをいいます。オフショア人民建…

証券取引所は金儲けをしとけばよい?!

2013年10月1日のSouth China Morning Postの記事から。 アリババの悲劇(アリババが香港上場をあきらめたこと)が起こらないよう、香港証券取引所は取引所の運営で収益を上げるのに専念すればよく、上場審査は規制当局にすべてお任せすればいいのではないか…

香港証券取引所の上場ルール改正(2013年10月)

いよいよ本日10月1日から香港証券取引所の上場ルールの改正が施行されます。 改正の趣旨は、一言で言えば、上場審査を効率化することです。例えば、今回の改正は、明らかにいい加減な審査書類を提出した者に対して、8週間の間、再審査を停止し、その名前…

香港セカンダリー上場はめんどくさい?

香港でのセカンダリー上場とは、すでに日本で上場していて、さらに香港証券取引所でも上場することをいいます。 このセカンダリー上場が、香港証券取引所だけに上場するのと比べるとちょっと面倒です。 何が問題なのか。一言で言えば、株券の問題です。 日本…

香港オフショア上場

先日、香港でご活躍される日本人弁護士の集まりに参加してきました。合計で10名ぐらいでしょうか。1次会は火鍋を食べて、しめはTsim Sha Tsui のカラオケに行ってすごく盛り上がりました。そこで、お知り合いになった美人弁護士先生が、香港でオフショア上…

アリババ NYに行く

昨日の記事に引き続き、アリババが香港での上場をあきらめて、NYで上場をめざすとの記事がありました。 株主間の徹底した平等を目指すSFCとしては、アリババの妥協案も受け入れられなかったようです。 一方NYでアリババは上場できるのかという問題があります…

アリババ譲歩しても、IPOには不十分

9月25日付けの South China Morning Post から 中国のE-commerce最大手のアリババがIPO にむけて譲歩を開始したという記事がありました。 アリババの上場に関するこれまでの経緯を簡単に振り返ると下記のとおりとなっています。 2007年11月 香港証…

中国本土におけるIPO停止の影響- IRRが低下

South China Morning Postの9月23日の記事から。 IPO承認停止以前は、未公開会社(Private Equity Firm)において30%程度あったとされる内部収益率(Internal Rate of Return)が、IPO停止の影響により1桁まで低下しうるとの記事がありました。 未公開会…

HK ExへのBack-Door listingってどういうこと?

South China Morning Postの記事から。 香港証券取引所へのBack-Door Listingは、みんなにとってWin-Winだという記事がありました。 Back-door listingとは、どうやら、中国本土で再建手続き(Restructuring)中の会社が、香港上場をすることを意味しているよ…

中国本土のIPO停止について

最初の投稿から時間が経ってしまいましたが、仕事も始まったので、ブログも始めようかと思います。 今日のテーマは、中国本土のIPO承認手続きの再開の見通しについてです。香港の新聞のSouth China Morning Postの中で、「国慶節である10月1日の前後にIPO…