Connecting the Dots

米国証券法、デリバティブ、香港証券市場について学んだことを書いていきます。当ブログは法的アドバイスを提供するものではありません。ブログ中の意見にわたる部分は個人的見解であり、私が所属する事務所の見解を述べるものではありません。

2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

Regulation Sについて

米国で証券の募集を大衆に向けて行う場合には、証券法5条に基づく登録が必要とされています。一方で、米国に関係のないところで証券の募集する場合には、当然ですが米国証券法の適用外です。では、どのような証券募集が、米国に関係のない証券募集といえる…

デリバティブーCPPとTR

今回のテーマは、デリバティブの規制が、現在向かっている流れについての話です。大きく分けて下記の2つの流れがあります。 ①デリバティブの情報を集めよう ②中央清算機関を通じて決済しよう ①は、デリバティブ取引においては金融機関などがどれだけ危険な…

空売りにおけるUptick Ruleの改正

2013年11月5日から空売り規制が改正されます。 改正点は次の3つです。①空売り規制がPTS(Proprietary Trading System)取引に拡大、②空売りのポジションの報告義務が緻密化、③Uptick Ruleにおいて、Trigger Featureを採用。 今回は改正の中でもUptick Rule…

香港セカンダリー上場はめんどくさい?

香港でのセカンダリー上場とは、すでに日本で上場していて、さらに香港証券取引所でも上場することをいいます。 このセカンダリー上場が、香港証券取引所だけに上場するのと比べるとちょっと面倒です。 何が問題なのか。一言で言えば、株券の問題です。 日本…

香港オフショア上場

先日、香港でご活躍される日本人弁護士の集まりに参加してきました。合計で10名ぐらいでしょうか。1次会は火鍋を食べて、しめはTsim Sha Tsui のカラオケに行ってすごく盛り上がりました。そこで、お知り合いになった美人弁護士先生が、香港でオフショア上…

アリババ NYに行く

昨日の記事に引き続き、アリババが香港での上場をあきらめて、NYで上場をめざすとの記事がありました。 株主間の徹底した平等を目指すSFCとしては、アリババの妥協案も受け入れられなかったようです。 一方NYでアリババは上場できるのかという問題があります…

アリババ譲歩しても、IPOには不十分

9月25日付けの South China Morning Post から 中国のE-commerce最大手のアリババがIPO にむけて譲歩を開始したという記事がありました。 アリババの上場に関するこれまでの経緯を簡単に振り返ると下記のとおりとなっています。 2007年11月 香港証…

中国本土におけるIPO停止の影響- IRRが低下

South China Morning Postの9月23日の記事から。 IPO承認停止以前は、未公開会社(Private Equity Firm)において30%程度あったとされる内部収益率(Internal Rate of Return)が、IPO停止の影響により1桁まで低下しうるとの記事がありました。 未公開会…

HK ExへのBack-Door listingってどういうこと?

South China Morning Postの記事から。 香港証券取引所へのBack-Door Listingは、みんなにとってWin-Winだという記事がありました。 Back-door listingとは、どうやら、中国本土で再建手続き(Restructuring)中の会社が、香港上場をすることを意味しているよ…

中国本土のIPO停止について

最初の投稿から時間が経ってしまいましたが、仕事も始まったので、ブログも始めようかと思います。 今日のテーマは、中国本土のIPO承認手続きの再開の見通しについてです。香港の新聞のSouth China Morning Postの中で、「国慶節である10月1日の前後にIPO…