Connecting the Dots

米国証券法、デリバティブ、香港証券市場について学んだことを書いていきます。当ブログは法的アドバイスを提供するものではありません。ブログ中の意見にわたる部分は個人的見解であり、私が所属する事務所の見解を述べるものではありません。

アリババ譲歩しても、IPOには不十分

9月25日付けの South China Morning Post から

中国のE-commerce最大手のアリババがIPO にむけて譲歩を開始したという記事がありました。

アリババの上場に関するこれまでの経緯を簡単に振り返ると下記のとおりとなっています。

2007年11月 香港証券取引所に上場

2012年6月 香港証券取引所の上場廃止

2013年4月 アリババが再上場の話が持ち上がる

現在、アリババは香港証券取引所と上場に向けて協議中とのステータスのようです。香港上場において懸念材料となっているのが、アリババが主張している「取締役の選任」の仕組みのようです。

アリババ側としては再上場後も経営に関しての支配権を維持するために、特殊株式を保持する「パートナー」が取締役の過半数を選任できるを認めてもらいたいようです。香港証券取引所はそれに難色を示しています。

そこでアリババ側の提示した譲歩とは、①パートナーが選任できる取締役の数を減らすことと②パートナーが保持する特殊株式の売却を3年間禁止するというものだそうです。この譲歩に対して、香港証券取引所サイドは納得してないようです。

アリババの主張するような、「上場後も既存の経営者の支配権を認めるような方法」はニューヨーク証券取引所などでは認められるようで、そちらでの上場も検討しているようです。