Connecting the Dots

米国証券法、デリバティブ、香港証券市場について学んだことを書いていきます。当ブログは法的アドバイスを提供するものではありません。ブログ中の意見にわたる部分は個人的見解であり、私が所属する事務所の見解を述べるものではありません。

2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

LIBOR やTIBOR は消滅するとISDAはどうなるのか

LIBOR やTIBORなどの金融指標については世界的に規制が進んでいます。最終的にどのような規制となるかは現段階では不明ですが、改革がなされると、対象となる金融指標に言及している契約書は少なからず影響をうけることになります。特に、デリバティブ取引に…

TIBORの規制について

LIBOR やTIBORの不正操作をうけて金融指標の規制が進んでいます。日本では、2013年12月25日付で「金融指標の規制のあり方に関する検討会」という報告書が公表されています。 上記報告書は、2013年7月の証券監督者国際機構(IOSCO)が公表した金融指標に関す…

UK のBanking Reform Act

2014年の前半に英国のBanking Reform Act(改正銀行法)が施行される予定です。主要な改正点は、当局のベイルイン・オプションの導入と商業銀行と投資銀行の業務分離(リングフェンス)です。 ベイルイン・オプションが発動される条件は下記の3つとされていま…

カバード・ボンドについて

カバード・ボンドとは金融機関の貸付債権を担保として発行される債券のことです。債権担保付社債と訳されることもあります。日本では、カバード・ボンドというと聞き慣れないかもしれませんが、欧州ではかなり普及している債券です。 1 特徴 ① 二重リコース…

US のスワップ規制によりスワップ取引量が減少

ISDAのレポートによれば、USのスワップ規制のためEUとUSとのスワップ取引量が77%近く減少しているようです。本日のFTの記事にも載っていました。 主な原因はCFTCが規定したUS personの定義が広すぎるのが影響したようです。CFTCはやはりUS Personの定義…

調達資金の使い道をきっちり開示―アーバンコーポレーション事件で思うこと

アーバンコーポレーションの役員に対する株主訴訟判決を読みました。 感じたのは、クライアントにいい顔ばっかりしていたら弁護士生命を断たれかなないなということです。 争点は、アーバンが新株予約権付社債(CB)を発行する際に虚偽記載をしたのではな…

デリバティブ取引の当初価値がマイナスなことについて

デリバティブ取引の当初価値が金融機関の手数料やマージンの関係上、顧客にマイナスに設計されていることは何度か書いたと思います。 銀行関係者はマイナスであることは当然だし何も悪くないと言います。確かに、当初価値がマイナスであることについては、銀…

イギリスの中央銀行の力が強くなり、名前がややこしくなる

今日のテーマはイギリスの金融当局についてです。 2013年4月、英金融サービス法の施行により、UK FSAが廃止され、イギリスの金融当局が、FPC (Financial Policy Committee) PRA (Prudential Regulatory Authority) FCA (Financial Conduct Authority)とに分…

駒沢VSドイツ証券-デリバ訴訟

駒沢大学が、ドイツ証券に対し、デリバティブ取引によって約69億円の損失を蒙ったとして損害賠償請求をした事件の判決を読みました(東京地裁平成25年4月16日)。 結果は、駒沢が敗訴し、現在控訴中のようです。 本裁判において駒沢が突破すべき第一…