Connecting the Dots

米国証券法、デリバティブ、香港証券市場について学んだことを書いていきます。当ブログは法的アドバイスを提供するものではありません。ブログ中の意見にわたる部分は個人的見解であり、私が所属する事務所の見解を述べるものではありません。

香港セカンダリー上場はめんどくさい?

香港でのセカンダリー上場とは、すでに日本で上場していて、さらに香港証券取引所でも上場することをいいます。

このセカンダリー上場が、香港証券取引所だけに上場するのと比べるとちょっと面倒です。

何が問題なのか。一言で言えば、株券の問題です。

日本では上場する場合、証券保管振替機構を利用する都合上、上場会社は必ず株券不発行会社である必要があります。一方で、香港では、上場するには株券が必要になってきます。

そこでセカンダリー上場する場合には、香港預託証券(Hong Kong Depositary Receipt)を利用する必要がでてきます。香港預託証券というのは、預託銀行が発行してくれる証券のことです。

なぜ香港では上場にあたって未だに株券が必要なのでしょうか。はっきりしたところは分からないので推測ですが、日本では株券の電子化が進みペーパーレスの取引が進んでいますが、香港では未だ株券ベースの取引もされているということなのかもしれません。

いずれにせよ香港証券取引所において、セカンダリー上場する場合には預託証券を利用する必要があり、当然その分コストも高くなると思われます。