韓国でEquity-link Derivativeの取引高が激減
2013年11月12日のFinancial Timesに、当局のデリバティブ取引の取り締まりを強化したことにより、韓国のデリバティブ市場が著しく縮小しているとの記事がありました。
韓国においてデリバティブ取引の規制が強化された背景には、デリバティブの市場が極めて投機的になりすぎて、個人投資家が巨額の損失を蒙る例が散見されたからだそうです。そこで、個人投資家を保護するために、規制当局は取引単位の引き上げと取引証拠金の積み増しを要求しました。規制強化の結果、かつて取引高で世界トップ5に入っていたのが、トップ10にも入らないような状況になったようです。
韓国の市場関係者は「デリバティブ市場の過剰な規制強化は、投資家からヘッジ手段を奪い株式市場の流動性を失わせる結果になっている」と指摘しているそうです。
デリバティブの市場が縮小すること自体が経済にとって良いことなのか、悪いことなのかは分かりません。ただ、デリバティブ取引は本来ヘッジ目的に行うものですが、個人投資家がデリバティブ取引に投資する目的はギャンブル目的であるケースが多いような気がします。規制強化でギャンブル目的の個人投資家が市場から去って行った結果、市場の取引残高が減ったのであれば、単にギャンブラーが減っただけのことで特に経済には大きな影響はないと思います。一方で、規制を強化しすぎて、本当の意味でヘッジ目的取引を行いたい投資家を寄せ付けないような状況になっているのであれば、それは問題だと思われます。